起業の神様―市村清の実像



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尋常一様ならず、順風満帆またならず。

市村清・・・。
私がこの名前を初めて知ったのは、あの田中角栄元首相の評伝を読んでいるときだった。
理化学研究所を率いた大河内正敏博士を頼った角栄青年と同時期に、同じく、理研に出入りしていた中には、「あのリコー三愛の市村清もいた」という一文が目にとまった。
その後、機会があれば、その市村清という人の本も呼んでみたい物だと思っていたところ、この本が発売されたことを知った。
側近くにいた実弟が綴ったものだったが、まず第一に、割ときちんとまとめられており、読みやすかった印象がある。
触れたいことは多々あれど、一言で言うならば、市村清という人は、アイデアという点では、神前結婚を始め、今の日本の仕組みの少なからざる部分を作ったという点で、小林一三と双璧を為すほどのアイデアマン社長であったと言えるが、むしろ、私には、それほどの人物をしても、その人生は、決して、万事、順風満帆なものではなかったということであったろうか。
そのことがむしろ、印象に残った一冊であった。




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